05 まったく違うものになってしまったらお客様が離れてしまうので、味のバランスは絶対に崩してはいけないと思っています。あれだけ大々的にリニューアルを打ち出すと、長年スガキヤの味に慣れ親しんだお客様からは「なんで勝手に変えるんだ!」とお叱りをもらうこともあって、ズキンとくる時もありました。そういった方々が食べた時に、「あれ、そんなに変わってないじゃん」「安心した」と、思わせたかったんです。―具材も変わっていないですよね。 実は、いじりたいところはまだまだたくさんあります。2025年の秋にはソフトクリームも溶けにくいものに変えたいと思っていますし、品質を良くできるところがあるのであれば、これからもどんどん変えていきたいと思っています。商品品質の追求はやり続けるもの―今回のリニューアルでは、ど行うには、これがベストだと思っていましたが、数カ月が経って、直したいところも見えてきました(笑)。でも、これは続けていくことだと思うんです。あれだけ大々的にリニューアルとやってしまうと敬遠する方もいるかもしれないけど、放っておいたとしても、何も変えていないのに「まずくなった」と言われてしまうんです。だから、商品品質の追求というものは、ずっとやり続けていくことなんだろうなと思います。―最後に、スガキヤを愛するお客様に向けてメッセージをお願いします。 私は今年で56歳になりますが、私自身も長年スガキヤで育ってきていますので、今後、スガキヤがなくなってしまうと困るんです。そういったお客様は、たくさん、たくさんいらっしゃると思いますので、スガキヤが飽きられてしまわないように、そして、なるべくお値打ち価格を維持できるように、ここからまた努力を重ねていきたいと思っています。創業80周年、100のくらい試作を重ねましたか? 麺はそんなにかかっていなくて、2、3回で決まったと思います。ただ、一番お客様が敏感なのはやっぱりスープなので、そっちは覚えてないくらい何度も試作をしました。―試食の時はどんな意見がありましたか? ダメ出しはなかったですね。ただ、30、40年前はコクを出すためにスープにラードを入れていて、その頃を知っている役員から「あれがうまかったから、リニューアルにはラードを入れよう」って言われていたんです。作業性の問題でどこかでラードを入れない処方になっていたわけだし、スガキヤラーメンはさっぱりしているから好きというお客様の意見も多かったので、僕はそれはやりたくなかったんですよね。そのため役員を説得したのですが、相当苦労しました(笑)。―そうして完成したラーメンは、自信作ですか? 2024年9月のタイミングで周年に向けてスガキヤを維持していくために、そして品質を落とさないように、僕らが守っていきますので、お客様にも変わらず愛していただけたらうれしいです。岡田友志平成4年にグループ会社の寿がきや食品に入社。商品開発部の部長を務めたのち、2023年9月よりスガキコシステムズの商品開発部に。現在は、スガキコシステムズの商品開発部とマーケティング部の部長を兼務。ここからまた努力を重ねていきたい
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