04基本商品を大切にアピールするため…―約14年ぶりにリニューアルしたラーメンについて教えてください。 「14年ぶり」としていますが、それまでリニューアルをしていないわけではなくて、ちょこちょことマイナーチェンジはしているんですよ。ですが、スガキヤの味わいをより安定させ、均質なものにする守りの調整が中心でした。今回は品質を良くするためのリニューアルだったんです。新業態や新店舗で新しい話題を発信していても、やはり基本商品を大切にアピールできなければ、スガキヤのヘビーユーザーやオールドファンの方々伸びにくさと比例してくる部分でもあるので、既存のユーザーさんからも、「これならば許せるね」と思っていただけるくらいの変わり幅を探りました。―具体的には、どのように試作をしていったのでしょうか。 粘度計といわれる計測器で、食品が歯に当たった時の弾力や硬さを測定できるのですが、麺がプツンと切れるまでの抵抗が大きければコシのある麺、ストンと切れてしまうとコシのない麺、つまり茹で伸びてしまっている状態です。その数値をリニューアル前の麺と、リニューアル後の麺を、細かな条件下で何度も測定しました。そのままの生データをお見せしてもわかりにくいので、それより簡単にはついてきていただけないのではないかと考えたことが今回のリニューアルの理由です。―メイン商品のブラッシュアップも必要だろうと。 そうですね。原材料も10年前と比べると考えられないくらい上がっているので、今のお値打ち価格を維持するのも大変なんです。これまでは小麦粉の配合を変えながら少しずつ対応をしてきましたが、お客様から「麺が伸びやすくないですか?」というお声をいただくこともあったので、まずはそこをしっかり改善する必要がありました。具体的には、伸びにくい種類の小麦粉を使用し、配合から見直しました。なるべく食感は変えないようにしましたが、そこはな図にしたものを、リニューアルのお知らせとして看板にも掲示して、新しい麺の伸びにくさをお伝えしています。品質を良くするために変えていきたい―スープのリニューアルポイントは? 一番フレッシュな風味を感じやすい魚介出汁の配合を変え、昆布を感じやすくしました。とはいっても、バランスの微調整程度で、そこまで大きく変えたわけではありません。―今回、麺とスープをリニューアルしましたが、逆に変えてはいけないスガキヤラーメンらしさがあるとしたら、どんな点ですか?茹で上がりを0として、縦軸がコシといわれる食感、そして横軸が経過時間になっている。リニューアル前の麺と比較をして、約2倍の伸びにくさを実現した。出典:スガキヤHP長年愛されてきたスガキヤラーメン。「スガキヤの味」を守りつつ、さらにおいしく生まれ変わらせるためには、お客様への気遣いが必要だったという。リニューアルという大役を任された、岡田さんが語るその苦労とは?スガキヤ「新ラーメン」開発秘話開発者に直撃
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